横浜市長候補、小此木八郎氏が統合型カジノリゾート計画に反対を表明
日本では着々と統合型リゾート建設の準備が進められています。現在複数の都市が候補地に挙がっていますが、その中でも有力な都市として横浜市が挙げられます。実際横浜市はこれまで誘致に向け多くの取り組みをし、海外企業も横浜市の提携パートナーへと立候補していました。先日はセガサミーホールディングス株式会社も横浜市の統合型リゾート事業へ向けて1200億円の資金を用意していることを発表したばかりです。
準備はこれまで順調に進んできたようでしたが、ここにきて一変。新しく横浜市長に立候補する小此木八郎氏が、統合型カジノリゾート計画に反対を表明しているのです。
小此木八郎氏とは
小此木八郎氏とは自由民主党所属の衆議院議員。これまで東京五輪・パラリンピックの警備担当のトップの国家公安委員長などを務めてきましたが、6月25日に横浜市長選(8月8日告示、同22日投開票)に立候補するために菅首相に閣僚の辞表を提出しました。
現職閣僚が市長選に出馬するため辞任するのは異例であり、日本の政界をざわつかせる事態となりました。当然今回の辞任は菅首相の期待を裏切る形となります。
そして、小此木八郎氏は菅首相が推進する統合型リゾート施設の誘致断念を表明しています。断念の理由としては、「新型コロナの現実を踏まえ取りやめる。横浜では環境が整っていない」とコメントしています。
つまり、国の統合型リゾート事業については賛成ですが、市民の反対の声もある横浜での統合型リゾート建設には反対という立ち位置となります。
また、小此木氏の出馬には “横浜のドン” と呼ばれる地元の有力者・藤木幸夫氏の存在が大きいといわれています。
藤木氏は横浜港ハーバーリゾート協会会長を務めており、統合型リゾートの誘致には強く反対をしています。そのため、この2人が結束することで、横浜市の統合型リゾート事業辞退は決定的になることでしょう。
また、小此木八郎氏が辞職することで神奈川3区に欠員が出ます。そこに、麻生派の中西健治参議院議員(57)の、衆議院への鞍替え出馬が浮上しています。これにより、党内の派閥争いが加速し、官政府の支持率がさらに下がることが懸念されています。
小此木八郎氏の辞任は横浜市だけではなく、政界全体に影響を及ぼすこととなりそうです。
今後の横浜市は?
もし横浜市長選で小此木八郎氏が当選した場合、横浜市が今後統合型リゾート事業を推進することは非常に難しいでしょう。
ただし、完全に小此木八郎氏が次期横浜市長となることが決定しているわけではありません。
実際のところ、現職で3期目の林文子市長(75)は依然として進退を明らかにしていません。
また、小此木八郎氏の他に横浜市長選への出馬を表明していた元衆院議員の福田峰之氏は25日に開いた会見で、これまでニュートラルとしていた統合型リゾート事業について賛成の立場だと明らかにしています。そのため、福田氏が当選した場合、これまで通り横浜市で統合型リゾート事業が推進されることでしょう。