横浜市が統合型リゾート施設の誘致から撤退?住民投票を実施
日本では統合型リゾートの建設が予想され、現在複数の都市が候補地として挙がっています。そして、これまで有力な候補地として挙げられていた横浜市の誘致撤回の可能性が出てきています。
反対多数なら誘致撤回
横浜市の林文子市長は10月28日、誘致の是非を問う住民投票が実施され、反対多数だった場合は誘致を撤回する方針を発表しました。
現在、横浜市の市民団体は直接請求に必要な署名活動を進めており、すでに地方自治法の法定数を上回る10万筆が集まっているとされています。
市民団体は11月4日まで署名活動を実施し、その後集めた署名を市選挙管理委員会に提出する予定です。市選挙管理委員会が署名数を有効と認めれば、市長が住民投票実施に関する条例案を市議会に提出。そして、市議会で可決されれば、住民投票が実施されるという流れになります。
そして、林市長は記者会見にて、住民投票の結果反対多数の結果になった場合は、誘致を撤退するかという質問に対し、それを肯定しました。林市長は「住民投票をして反対が多かったという結果が出れば順守すべきだ」とコメントしています。
しかし、今後も統合型リゾートを誘致している意志については「変わりはない」と強調しています。
また、横浜市では統合型リゾートの誘致撤回だけではなく、市長のリコール(解職請求)を目指す署名活動も展開されています。
横浜市民の声
2019年に神奈川新聞とJX通信社は合同でカジノを含む統合型リゾートの誘致に対する世論調査を実施しました。その際、「賛成」は25.7%、「反対」は63.85%という結果になりました。
また、反対と回答する人には特に高齢者が多く、男女で見ると賛成は男性が多く、反対は女性が多いという結果になっています。
反対の意見としては以下のようなものが挙げられました。
・横浜市の税収増につながらない。
・生活環境悪化につながる。治安が悪くなる。
・カジノがある環境で子供を育てなくない。
・カジノを作っても赤字になる可能性が高い。また、その時の対応策が示されていない。
・カジノができるとギャンブル依存症の人が増える。
特に治安の悪化を気にする声が多く聞かれました。また、統合型リゾートが建設されたからと言って横浜市の財政が豊かになるわけではなく、赤字になると懸念している人が多いことがわかりました。
一方で、賛成意見としては以下のようなものが挙げられました。
・カジノができれば外国人観光客が増える。
・夜に遊べる場所が増えるのは嬉しい。
・経済の活性化や雇用創出につながる。
・統合型リゾートができることで、横浜市を世界にアピールすることができる。
このように賛成意見も一部みられます。このような意見は主に10代の若者から多く聞かれました。
いずれにせよ現在、横浜市民は統合型リゾートの誘致撤回のために動いています。住民投票が実際に行われれば、横浜市が統合型リゾートの候補地から消える可能性が極めて高いといえるでしょう。