横浜市、市長選後に統合型リゾート事業から撤退
日本では統合型リゾートの建設に向けて着々と準備が進められています。
現在複数の都市が統合型リゾートの建設地とした候補に挙がっており、その1つに横浜市があります。これまで横浜市は候補地としてかなり有力でしたが、市長が変わったことにより、大きな動きがありました。
これにより、これまで横浜市の統合型リゾート事業に興味を示していた企業にも、かなりの影響がありそうです。
横浜市長選挙の結果
中華街や赤レンガ倉庫などの観光スポットが多く集まる横浜市。
横浜市は、神奈川県の県庁所在地であり、東京に次いで日本で2番目に人口の多い都市です。
そんな横浜市では市長選が行われ、22日に投開票されました。今回の市長選では、横浜の300万人を超える有権者のうち49.05%が投票し、2017年に行われた前回の市長選挙の37.21%を上回りました。
GGRAsiaの日本特派員によると、横浜市立大学の元教授である山中氏は、日曜日に行われた横浜市長選挙で33.59%の得票率で当選しました。同氏は、主要野党である立憲民主党をはじめ、日本共産党、社会民主党の支持を得て出馬していました。
他の7人の候補者の中には、小此木八郎氏や林文子氏がいました。国政を担う自民党の重鎮である小此木八郎氏が無所属で出馬し、IR政策を支持する現職の林文子氏は4期目を目指していました。
山中竹春氏は統合型リゾートの建設に反対
横浜市長選挙で当選選した横浜市の次期市長である山中竹春氏。共同通信社は、山中竹春氏は8月22日の夜、日本の都市がカジノリゾートの開催地として入札に参加することはないと述べたと、と報じました。
また、共同通信社は以下のように山中氏がコメントしたと報じています。
「横浜が統合型リゾート(IR)の開催地として招致しないことを明確にするため、近日中に正式な声明を発表します」。
地元メディアの報道によると、山中氏は、統合型リゾート政策に強く反対していると言われています。山中氏は、横浜のカジノ施設に予定されている海沿いの土地を、「ホテルやコンサートホールなどの施設を建設するのに使った方がいい」と提案しています。
現在いつ正式な声明が出されるかは明らかになっていないですが、横浜市が統合型リゾートの建設地に候補から外れることはほぼ確実だといっていいでしょう。
これまで現職の林文子氏は統合型リゾートの建設に準備を進めてきており、商業パートナーに関する提案依頼書(RFP)の作成などをしてきました。
シンガポールのカジノ、リゾーツ・ワールド・セントーサを運営するGenting Singapore Ltdと、マカオとフィリピンで会場を運営するカジノ運営会社Melco Resorts and Entertainment Ltdの2社が、パートナーの候補者として挙げられているなど、大規模な準備が進められてきましたが、今回の市長の変更により、これまですべての準備が白紙になってしまうようです。
今後新しい市長である山中氏がどのように声明を発表するかに注目が集まります。提携企業から非難が集まる可能性もあるので、新市長がどのように解決するかも重要となるでしょう。