ウィン・リゾーツ・リミテッドが横浜オフィスを閉鎖

ウィン・リゾーツ・リミテッドが横浜オフィスを閉鎖

8月に入ってウィン・リゾーツ・リミテッドが横浜オフィスを閉鎖したことを発表しました。オフィスの閉鎖にはどのような背景があるのでしょうか。

ウィン・リゾーツ・リミテッドとは

ウィン・リゾーツ・リミテッドはナスダック・グローバル・セレクト・マーケットに「WYNN」のシンボルコードで上場しているアメリカの大手企業です。

ウィン&アンコール・ラスベガス、アンコール・ボストンハーバー、ウィン・マカオ、ウィン・パレス・コタイを所有・経営しており、エンターテインメント業界において世界的に高い知名度を誇ります。

横浜オフィス閉鎖の理由は?

ウィン・リゾーツ・リミテッドは2019年12月15日に横浜におけるIRの区域整備計画の認定を目指し、横浜オフィスを設置したばかりでした。

そして、1年も経過しない2020年8月に同オフィスを閉鎖しています。

閉鎖の理由は日本でカジノを含む統合型リゾート(IR)の事業者選定が遅れているためです。日本では統合型リゾート(IR)整備推進法案が2016年に成立しましたが、新型コロナウィルスの影響を受け、議論がまったく進んでいない状態になっています。

横浜に関しては市民の反対もあり、統合型リゾート建設地としての再検討も懸念されています。

このように日本において今後の統合型リゾート設立について不安定な状態が続いていることからウィン・リゾーツ・リミテッドはひとまず横浜オフィスの閉鎖を決定したのです。

横浜の状況

横浜は、統合型リゾート整備推進法案が設立された当初から候補地として名を挙げられていました。しかし、横浜IRに関しては、政府のIR基本方針の遅れや新型コロナウィルスの影響により、募集要項素案の公表は先送りとなり、選定プロセスが停滞している状態が続いています。

これらの遅延により2020年5月にはラスベガス・サンズが日本市場から撤退することを表明しています。現在他の候補事業者としてはウィン・リゾーツ以外に、メルコリゾーツ&エンターテインメント、ゲンティン・シンガポール、ギャラクシーエンターテインメント、セガサミーホールディングスがありますが、現在の状態を踏まえると、これらの今後撤退する可能性が十分考えられます。

今後の展望は?

今回ウィン・リゾーツ・リミテッドは横浜オフィスを閉鎖しましたが、日本のIR市場には引き続き関心があると語っています。8月2日の声明では「パンデミックは統合リゾート開発に前例のない悪影響を及ぼしており、ウィンなどのリゾート企業は、パンデミック後の市場に対応するために当社の事業をどのように進化させるかを検討している」とも述べています。

そのため、一旦オフィスを閉鎖するだけで、今後の状況に合わせて再度日本にオフィスを設置することも考えられます。

いずれにせよパンデミックが落ち着かない限り日本における統合リゾート設立に関する議論も進まないため、ウィン・リゾーツ・リミテッドとしても取る手段がないのでしょう。

まずは、統合リゾートの設置よりもパンデミックを落ち着かせることだけに焦点を当てる必要がありそうです。

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