なぜ日本ではギャンブルが合法化しない?その理由を解説
日本ではこれまでパチンコや競馬、ボートレースなどのギャンブルが楽しまれてきました。また、最近ではオンラインカジノやスポーツベッティングの人気が高まっており、日本人のオンラインギャンブルの利用者数が急増しています。
さらに、日本では統合型リゾートの建設が進められており、近い将来カジノが建設されることが予定されています。
しかし、日本の法律は依然変更されることはなく、ギャンブルは違法行為となります。ではなぜ日本ではいつまでのギャンブルが合法化されないのでしょうか?
日本でギャンブルが違法とされている理由
カジノを始め、世界中では様々なギャンブルが認められています。では、なぜ日本ではいつまでもギャンブルが違法となっているのでしょうか?
それには、ギャンブル依存症を防ぐためなどいろいろな理由がありますが、最高裁の判例では、次のような説明がなされました。
賭博行為は、一面互に自己の財物を自己の好むところに投ずるだけであつて、他人の財産権をその意に反して侵害するものではなく、従つて、一見各人に任かされた自由行為に属し罪悪と称するに足りないようにも見えるが、しかし、他面勤労その他正当な原因に因るのでなく、単なる偶然の事情に因り財物の獲得を僥倖せんと相争うがごときは、国民をして怠惰浪費の弊風を生ぜしめ、健康で文化的な社会の基礎を成す勤労の美風(憲法二七条一項参照)を害するばかりでなく、甚だしきは暴行、脅迫、殺傷、強窃盗その他の副次的犯罪を誘発し又は国民経済の機能に重大な障害を与える恐れすらあるのである。
出典:昭和25年11月22日 最高裁判所大法廷判決より
つまり、この判決では、ギャンブルをすることによって、国民の勤労意欲がなくなってしまうということを主張しています。
日本では勤労は国民の三大義務として定められています。そのため、ギャンブルで金銭を稼ごうという考えを排除しようというのが目的だといえます。
また、日本では社会保障制度があります。ギャンブルの影響では働かない人が増えてしまうと、多くの人の生活を保障しなければならず、国の財政が破綻してしまう可能性があります。そのため、日本政府としては、ギャンブルを認めることができないのです。
日本のギャンブル依存症の現状
日本はギャンブルが法律で禁止されているにもかかわらず、ギャンブル大国として知られています。
日本ではギャンブル依存症は社会問題となっており、約320万人の人にギャンブル依存症の疑いがあるといわれています。
ギャンブル依存症の疑いがある人は、男性が圧倒的に多く、お金を費やした対象はパチンコ・パチスロであるということが調査で分かっています。
ギャンブルが日本で違法であるにもかかわらず、日本では一部のギャンブルが公営ギャンブルとして認められています。そのため、ギャンブル依存症の数が一行に減らないのです。
これ以上ギャンブル依存症を増やさないために、日本政府としてはギャンブルを合法化することはまずないといってもいいでしょう。