長崎県、大阪府で統合型リゾート建設に進展
日本で統合型リゾート整備推進法が成立してからすでに数年が経過しました。新型コロナウィルスの影響で計画が大幅に遅れていましたが、ここにきてようやくいくつかの候補地にて進展がありました。
この記事では、大阪府と長崎県の統合型リゾート建設についてのアップデートを紹介します。
大阪ではIR事業者を決定
大阪府と大阪市は、早い段階から大阪市湾岸部の人工島「夢洲」に統合型リゾートを誘致することを計画していました。
そして9月28日、アメリカの米MGMリゾーツ・インターナショナルとオリックスの連合体を正式に事業者に選んだことを発表しました。
これまで大阪府は新型コロナウィルスの影響を考慮し初期費用を抑えること重視していたため、整備に時間をかけていました。そして現在、初期投資額は1兆800億円ということで合意しました。
大阪府は今後、統合型リゾートの整備計画を策定し、両議会の同意を得たのち、来年春に提出する予定です。そして、問題がなければ、国土交通相によって最大3カ所の設置が許可される予定です。
今回大阪府が提出して提案内容では、府が計画している統合型リゾートにはカジノに加え、最大6千人超が利用できる会議室、展示面積2万平方メートルの施設や2500室の宿泊施設が設置されると記載されています。
そして、年間来場者数は約2050万人(国内約1400万人、国外約650万人)を見込んでおり、統合型リゾートの設置により約1万5千人の雇用も生じるといいます。
この提案では、大阪府が求める展示面積10万平方メートルの施設と3千室以上の客室以外の条件はほぼ達成しており、準備が順調に進んでいるといえます。
長崎市の統合型リゾート計画
大阪府だけではなく、長崎県でも順調に統合型リゾートの建設に向けて準備が進められています。
現在、長崎県と佐世保市は統合型リゾートのハウステンボス(HTB)への誘致を目指しています。そして、長崎県はオーストリア国営企業関連の事業者グループ「カジノオーストリアインターナショナルジャパン」(CAIJ)とIR整備を手掛ける設置運営事業予定者に決定し、基本協定を結んだことを発表しましまた。この協定締結は和歌山県に続き2番目となります。
長崎県が提携したカジノオーストリアインターナショナルジャパンは、「東洋文化と西洋文化の融合」を統合型リゾートのコンセプトとして提案。統合型リゾート内のホテルなどは、アメリカの高級ブランドハイアットなどによって運営される予定です。また、東洋文化を入れるために、和風の温泉旅館などの建設も予定。これにより、幅広い客層を獲得することを目的としています。
さらに統合型リゾート内には、アニメやゲームなどの日本文化を紹介する「ジャパン・ハウス」、国際会議場や展示場を備えたMICE(コンベンション)施設、最先端医療を提供する「メディカルモール」、コンサートホールなども建設予定。総事業費は3500億円ほどになる見込みです。
また、年間来訪者数は延べ840万人(国内が600万人、海外が240万人)と想定しています。そして、既存のホテルヨーロッパやパレスハウステンボスは改修するなどして活用するとのこと。長崎県の統合型リゾートは、早ければ2027年にオープンする予定です。