Evolution Gaming、NetEntとの提携
2020年6月にオンラインカジノ業界にビッグニュースが入りました。なんと、大手ソフトウェアプロバイダーであるEvolution GamingとNetEntが提携を発表。
これはEvolution Gamingが提案したものであり、Evolution GamingがNetEntの株式の90%を買い取る形で行われる予定です。その額は日本円にしてなんと2000億円。
この記事では提携の背景や今後の予想される変化について解説します。
提携の理由
今回Evolution GamingがNetEntとの提携を提案した理由には以下が挙げられます。
資本力の拡大
Evolution GamingとNetEntは共にオンラインカジノ業界をリードする大手ソフトウェアプロバイダーです。この2社が提携することにより、Evolution Gamingの資本力がかなり拡大します。
資本が増えることによって、製品開発により投資できる他、優秀な人材の採用が可能になります。そうすることで、競争力を高めることが可能になります。
スロットセグメントへの進出
Evolution Gamingが大手ソフトウェアプロバイダーですが、ライブゲームに特化しているというのが強みであり、弱点として挙げられます。近年カジノゲームの中でもビデオスロットの人気が高まっています。そこで、今後オンラインカジノ業界で生き残るには、Evolution Gamingもビデオスロットを開発する必要があると考えたのでしょう。
NetEntはこれまでStarburstやBlood Suckersなどの人気のゲームを開発した優秀なエンジニアを抱えています。そのため、NetEntと提携すれば、Evolution Gamingはビデオスロットにおいても市場をリードすることが可能になります。
NetEnt側のメリット
今回の提携でメリットを得られるのはEvolution Gamingばかりではありません。
Evolution Gaming との提携により、NetEntも今後オンラインカジノ業界での市場規模を拡大することができます。
また、資本力が拡大すればスロットセグメントの強化を期待することも可能です。
このようにEvolution Gamingとの提携でNetEnt側にもメリットがあり、今後より競争が厳しくなるであるオンラインカジノ業界での安定した地位を保ちやすくなるといえます。
予想される今後の変化
オンラインカジノ業界大手2社が提携することにより、オンラインカジノ業界がEvolution Gamingによって独占状態となる可能性が考えられます。Evolution Gamingは現在ライブゲームにおいて多数のゲームをリリースしており、今後ここにNetEntのビデオスロットが追加されれば、ほぼすべてのカジノゲームを網羅することになるので、競争力が高まります。
また、資本力が増えれば、NetEntに続いて他のソフトウェアプロバイダーを買収する可能性も考えられます。そうすれば、オンラインカジノ業界の統合化が進み、小規模のソフトウェアプロバイダーは倒産する可能性が考えられます。
さらに、Evolution Gamingが独自のオンラインカジノを設立する可能性もあるでしょう。そうすれば、既存のオンラインカジノへのソフトウェアの提供を廃止し、自身のオンラインカジノで独占的に自社ソフトウェアを展開することになります。そうすると、今後のオンラインカジノの在り方全体が変わってくるでしょう。
Evolution Gamingとの提携はオンラインカジノ業界におけるビッグニュースです。実際に取引が行われるのは11月だとされていますが、その後どのように展開していくのか目が離せません。