イギリスのプレミアリーグ、ブックメーカーのスポンサーシップを禁止
イギリスにおいて、ブックメーカーがプレミアリーグのスポンサーを務めるのを禁止する動きができています。
プレミアリーグの状況
現在、イギリスのプレミアリーグのスポンサーは、国内外問わず多くのブックメーカーが務めています。
2018/19シーズンでは、プレミアリーグで20クラブ中9クラブ、チャンピオンシップ(2部相当)で24クラブのうち17クラブのメインスポンサーがブックメーカーだったとされています。
ブックメーカーのスポンサーシップ収益の総額はおよそ3億4900万ポンド(およそ507.9億円)ですが、そのうち6900万ポンド(およそ100.4億円)がギャンブル関連だとされています。
このようにブックメーカーが認められるようになった背景には、2005年に制定された賭博法(Gambling Act)が大きく関係しています。この法律によって、ブックメーカーがプレミアリーグのスポンサーを務められるほか、テレビなどでの宣伝活動も可能となったのです。そして、この法律が制定されて以降、プレミアリーグへのスポンサーシップが急増したのです。
イギリスでの最近の動き
これまで多くのブックメーカーがプレミアリーグのスポンサーを務めてきましたが、ここ数年でこのスポンサーシップを禁止する動きが出ています。
政府はブックメーカーがプレミアリーグのスポンサーを2023年までに解除することを決定しています。これに伴い、ブックメーカーの名がかかれたユニフォームの使用、スタジアムでのブックメーカーの宣伝も禁止されることになります。
現在すでに契約を結んでいるスポンサーについては2023年までに解除することとし、今後新しいスポンサーシップを結ぶことを禁止しています。
実際にスポンサーシップの禁止までは3年間の猶予があるため、政府はそれまでにブックメーカーに代わる新しいスポンサーを見つけることを推奨しています。
しかし、ブックメーカーのプレミアリーグにおける投資額は非常に大きいものです。そのため、各クラブチームにとって新しいスポンサーを見つけることは非常に難しくなることが予想されています。
スポンサーシップの禁止の理由
今回ブックメーカーのスポンサーシップが禁止される理由は、イギリスでのギャンブル依存症の増加が理由だとされています。
イギリスではギャンブルに関連する問題を抱える人が43万、またそのリスクにある人も200万人以上いるとされています。そのため、ギャンブルを促進する活動を制限する動きがイギリス内であるのです。
また、スポンサーシップの解除は子供をギャンブルから守るという目的もあります。フットボールの試合は子供も多く見ます。そして、試合中にはブックメーカーのロゴなどが表示されるため、子供がギャンブルに興味を持つきっかけにもなります。実際に、イギリス国内での調査によると子供の3分の2はテレビでギャンブルの広告を見たことがあると報告されています。このようにフットボールはギャンブルと子供をつなげるきっかけとなりうるので、ブックメーカーのスポンサーシップの禁止が求められているのです。